江戸時代後期の、戊辰の主戦派の幕臣、小栗忠順(おぐりただまさ)。
江戸幕府の財政再建や、近代化政策を行った人で、司馬遼太郎は彼のことを「明治の父」と記している。
日本の近代化の基礎を作り上げた人物。
小栗忠順を描いたおすすめの小説
小栗忠順のことを知りたいと思った時に読んだこちらの小説がわかりやすくて役に立ったのでご紹介します。
作品紹介
瓦解寸前の徳川幕府にあって、初の遣米使節として近代化の実態を学び、その後外国奉行・勘定奉行などを歴任。軍政改革や横須賀製鉄所の設立、商社組織の確立で、近代日本の礎を築いた小栗上野介忠順。「小栗が沈めば勝が浮かぶ。勝が転べば小栗が起つ」と世に言われ、勝海舟とは政事の方向性の中で常にライバル関係にあった。幕臣として義に殉じ、遂には謀殺された英傑の生涯を描ききる傑作歴史小説。
小栗忠順の生涯が詳しく描かれていて、この作品ひとつで小栗忠順のことがわかり、その偉大さを思い知らされます。
印象に残った登場人物
小栗忠順 木村喜毅 福沢諭吉 フランソワ・ウェルニー
登場人物
小栗忠順 主戦派幕臣。文武両道に秀でた才人であり類まれなる胆力の持ち主。譜代の旗本として幕府を守る。
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栗本瀬兵衛 忠順の親友。秀才肌。性一徹で頑固であるが根は優しい。七転八倒の境涯。
木村喜毅 渡米時の咸臨丸の提督。温厚で控えめ。人望は厚い。忠順に常に協力的。
勝麟太郎(海舟) 才覚があり、幕臣ながら志士と交流している。性格にむらがある。
福沢諭吉 俊才であり破天荒。泰然としている。洋学塾を開く幕臣。忠順のよき相談相手。
小野友五郎 長崎海軍伝習所出身。軍艦方頭取で大海軍構想も手伝う。
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紀ノ国屋利八 通称紀ノ利。実直で才気煥発。後の三野村利左衛門。
塚本真彦 忠順の側近中の側近。素直な気性で実務能力も高い。
小栗忠道 忠順の養子。伝習所一期生。フランス語、英語を修得。次席で卒業。
佐藤藤七 小栗家の領地・上州権田村の名主。百姓ながら文武もこなす。50半ば。
小栗道子 播州林田藩藩主の娘。忠順の幼馴染で妻。小柄な女性色白の美人。
小蝶 芸妓。忠順の妾だったが忠順が多忙になり離別。労咳を患っている。20代半ば。
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レオン・ロッシュ フランス公使。幕府に協力的でありイギリスのやり方を批判。
フランソワ・ウェルニー 忠順と製鉄所建設を進める技師。誠実で真面目。有能な若者。
メルメ・ド・カション 箱館で聖職をしていた仏人。日本語も出来、フランス語学校の校長に抜擢。
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一橋慶喜 将軍後見役。英明であり、開国にも前向き。尊王第一。忠順と不仲。
松平慶永(春嶽) 福井藩主。政治総裁職。橋本佐内・横井小楠を側に置いている。
福地源一郎 英語・蘭語が得意な幕府の通訳。血気盛んな少壮幕吏。二十七歳。
板倉勝静 備中松山藩主。幕閣の中心。忠順の才覚を認め、信任をおいている。
徳川家茂 将軍。蒲柳のたちで体が弱い。