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新史 太閤記(司馬遼太郎)のレビュー・登場人物紹介

司馬遼太郎先生の「新史太閤記」。
秀吉の出生から、天正14年、家康が秀吉に臣従するまでを描いた作品全2巻。

新史太閤記 上下巻セット[ 司馬遼太郎 ]
機に乗じては縦横に智略を働かせ、生れながらの猿面を人間的魅力に転じて主君・織田信長の心を掴む。 奇想天外の戦術を展開して戦国の世を駆け、日本の近世を切り開いた豊臣秀吉。 乱世の英雄を現代に甦らせて、日本人の夢とロマンを描く傑作。

感想

いつも陽気で明るく、人が好きで情にもろい。冷静な頭脳で次の策を考える。
秀吉という人間が生き生きと描かれています。

巧みな戦略、政治的な駆け引き・・・貧しい生まれから成りあがっていく展開は鮮やかで、読んでいて飽きません。
計算高く、なのに憎めない、秀吉の人間性に魅力を感じます。

現代でも秀吉から学べることはたくさんあると思います。

【印象に残った登場人物】
羽柴秀吉 織田信長 柴田勝家 石田佐吉 佐久間盛政

登場人物

羽柴秀吉 貧しい家に生まれる。通称猿。勘と才覚に優れ、特に人の気持ちを汲み取ることにおいては天才。商いなどでその日暮しをしていたが、信長に見込まれ立身してゆく。
織田信長 織田家の当主。天下布武を目指す。家臣に厳しい。秀吉は唯一の理解者でもある。
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柴田勝家 沈毅で骨節が座っている。自信家。信長に信頼されていた。秀吉嫌い。
竹中半兵衛 西美濃出身。信長を好まず、秀吉の部下に甘んじている。優秀な軍略家。
黒田官兵衛 播州出身。秀吉の側近。才があり秀吉と同質の感覚の持ち主。織田方を支持。
寧々 浅野家の次女(養女)。のちの北政所。明るく知恵もある女性。
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蜂須賀小六 元は野伏の親分。秀吉が少年期世話になっていた。律儀で優しく信頼も厚い。
羽柴小一郎 秀吉の異父弟。のちの秀長。重厚な人柄。物事に聡い。
松下嘉兵衛 駿府今川家の被官。遠州で唯一、秀吉の人柄や機転のきき方を好んでいた。
石田佐吉 藤吉郎の小姓。聡明な若者。顔に似合わず無愛想。
大谷紀之助 秀吉の小姓。吉継。佐吉とともにもっとも聡明。将領の才も豊か。
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前田利家 織田家譜代の武辺者。秀吉の同僚で良き友。
丹羽長秀 勝家と並んで織田家の二大老臣。勝家嫌い。頑固な性格。
中川瀬兵衛 摂津茨木城主。秀吉を好んでいない。口が達者。
池田勝入斎 伊丹の城主。後秀吉に属し、小牧・長久手の奇襲軍先鋒。
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明智光秀 織田家の軍団長。秀吉の同僚。本能寺で信長を討つ。
滝川一益 近江甲賀出身で有能。長技は諜報活動。信長時代は常勝。勝家派。
徳川家康 信長の同盟者。堅実主義。信長死後、信雄とともに秀吉に対立。
佐々成政 越中の国主。織田家のはえぬきの将。猛勇であり、政治と倫理にもあかるい。
佐久間盛政 勝家の甥。勇猛で戦務に長けている。柴田軍の先鋒大将。
織田信孝 信長の三男。幼名は三七。柴田勝家の協同者。
織田信雄 信長の次男。酒や舞が好き。将領の才は無い。
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小早川隆景 元就の子。外交にも長じ、内外の信望が厚い。輝元を兄と補佐している。
清水宗治 備中高松城の城主。背が高く、容貌涼やか。
安国寺恵瓊 毛利家の外交。藤吉郎に巨なる将来を早くから予見した。

 
 




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