ジョジョの奇妙な冒険

「オラオラ」「無駄無駄」は世界共通語!?ジョジョのラッシュが海外版で「翻訳」されない深い理由

ジョジョの奇妙な冒険といえば、強烈なラッシュシーン。

オラオラ、無駄無駄、ドラララ、アリアリ、ボラボラ……
これらの掛け声は作品を象徴する要素として、世界中のファンに愛されています。

実はこれ、海外の英語吹き替え版でも「そのままの音」で叫ばれていることを知っていますか?

 ジョジョのラッシュ掛け声は、ほとんど翻訳されていないんです。

この記事では、主要な掛け声ごとに
海外での表記・受け取られ方・例外を整理していきます。


ジョジョの掛け声は「翻訳しない」が基本ルール

スタンドのラッシュ攻撃は、ジョジョのバトルシーンを彩る名物です。高速で連続パンチを繰り出しながら叫ぶ掛け声は、キャラクターの個性を表現し、戦闘シーンに独特のリズムと迫力を与えています。

海外版ジョジョでは、ラッシュの掛け声は次のように扱われています。

  • 意味を英語に訳さない
  • 効果音にも置き換えない
  • キャラクター固有の叫びとして残す

承太郎の「オラオラ」、DIOの「無駄無駄」をはじめ、各キャラクターが固有の掛け声を持ち、それぞれに意味や背景があります。

これらは単なる効果音ではなく、キャラクターの性格や哲学を表現する重要な要素なのです。


オラオラ(承太郎/スタープラチナ)

海外での表記

  • ORA ORA ORA ORA!

漫画版・アニメ版ともに「ORA ORA ORA」とそのままローマ字表記です。

この掛け声は承太郎の直情的な性格を表現しており、敵に対する容赦のない攻撃姿勢が込められています。

「オラ」は日本語としては荒い呼びかけですが、海外では「Take this! And that! And that!」や「Hey! Hey! Hey!」のように、攻撃に注意を向けさせる表現として機能します。

英語圏のファンも「ORA ORA ORA」をそのまま使い、ジョジョの代名詞として認識しています。

海外ファンにとってORAは、

  • 承太郎の象徴
  • スタープラチナの音声コード

という扱いです。

 承太郎の「オラオラ」はもはや聖域。

  英語圏の人にとって「R」の巻き舌は非常に難しいのですが、英語版声優たちは血の滲むような練習をして、日本語に近い「ORA!」を再現しています。


無駄無駄(DIO/ザ・ワールド、ジョルノ/ゴールド・エクスペリエンス)

海外での表記

  • MUDA MUDA MUDA MUDA

「無駄=useless」なので、 意味を重視するシーンでは「Useless!(ユースレス)」と訳されますが、ラッシュ時は「MUDA」が主流。

  • ORAとの対比が崩れる
  • リズムと迫力が失われる
  • DIOらしさが薄れる

結果、海外でも
ORA vs MUDA
という音の対決構造が、そのまま受け入れられています。

 「Useless!」だと音節が長すぎてリズム感が失われてしまいます。海外ファンも「やっぱりMUDAじゃないと!」と、日本語の音を支持しています。

DIOがこの掛け声を使うのは、敵の抵抗が無意味であることを強調し、自分の圧倒的な優位性を誇示するためです。DIOの傲慢で冷酷な性格が表れた掛け声といえます。

ジョルノの「MUDA」もそのまま残されています。DIOの叫びを受け継ぎながら、DIOの嘲笑ではなく、冷静な断罪として放たれています。


ドラララ(仗助)

海外での表記

  • DORARARARA

仗助の明るく情に厚い性格が、この掛け声のリズムに表れています。

「DORARARA」または「DORA」とそのまま表記されます。

   実は英語圏のファンにとって、この「DORA」という響きは、世界的に有名な知育アニメ『ドーラといっしょに大冒険(Dora the Explorer)』の主人公「ドーラ」を連想させてしまうという、ジョジョ史上最も微笑ましい(?)風評被害が起きています。

   しかし、いざラッシュが始まればそんな冗談は吹き飛びます。英語版声優のビリー・カメッツ氏(故人)による「ドラララ」は、凄まじい気迫とスピード感で、海外ファンからは高く評価されました。


アリアリ(ブチャラティ/スティッキィ・フィンガーズ)

海外での表記

  • ARI ARI ARI ARI

イタリア語の「Arrivederci(さよならだ)」を元にしたこの掛け声。

ブチャラティのラッシュ攻撃は「ARI, ARI, ARI, ARI」で、最後に「Arrivederci!」(イタリア語で「さようなら」)と言います。

英語吹き替え版でも、最後の一撃はわざとイタリア語でカッコよく発音されます。これがブチャラティの冷静で容赦ない戦闘スタイルと結びつき、「イタリアが舞台の5部らしくて最高にクールだ!」と、海外で最も評価が高いラッシュの一つです。

イタリア語の「さようなら」は英語圏の読者・視聴者にも比較的理解されやすい表現であり、イタリアの雰囲気を保つためにも原語が維持されています。


ボラボラ(ナランチャ/エアロスミス)

海外での表記

  • VOLA VOLA

 「VOLA VOLA... Volare via!」リズムが非常に良く、ナランチャの元気で直情的な性格と、空を飛ぶスタンドの特性が完璧に融合した掛け声です。

実は『ボラーレ・ヴィーア』、イタリア語の「飛んでいきな」という意味で使うには文法としては少し不思議な形。

正確に「飛んでいきな」という命令形にするなら、『ヴォーラ・ヴィーア』と言うのが正解です。

ても、英語版を含む多くの言語版で「Volare via」はそのまま使われています。

これは以下の理由からだと考えられます:

  • キャラクター性の表現 - ナランチャの教育レベルや粗野なキャラクター性を反映
  • 音の響き - 「Volare via」は語感が良く、スタンド名として印象的

文法的には完璧ではないものの、キャラクターの個性や作品の世界観を表現する意図的な選択として、世界中でそのまま使われているということですね。


なぜジョジョの掛け声は翻訳されないのか

ジョジョのラッシュ掛け声は英語版でもほとんどが原語のまま残されています。これには明確な理由があります。

リズムとスピード感

漫画やアニメにおいて、ラッシュシーンの迫力は視覚だけでなく、掛け声のリズムによっても生み出されています。翻訳してしまうと、この独特のテンポ感が完全に失われてしまうのです。

 キャラの感情の記号化

   海外ファンにとって「ORA」や「MUDA」は、もはや単なる言葉ではなく、「魂の叫び」という記号。意味を理解する以上に、その「音」を聴くことでジョジョを感じているのです。


おわりに

翻訳の目的は、単に言葉を置き換えることではなく、作品の魂を伝えることです。ジョジョの掛け声の場合、原語のまま残すことこそが最高の翻訳だったのです。

言葉の意味が分からなくても、その熱量だけで世界が繋がる。これこそがジョジョの掛け声が世界で愛されている理由なのかもしれません。

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