司馬遼太郎先生の「戦雲の夢」。
関ヶ原の戦いで西軍についた土佐の領主・長曾我部盛親を描いた作品。
戦雲の夢 (講談社文庫) [ 司馬遼太郎 ]
土佐二十二万石の領主・長曾我部盛親は、関ケ原の戦いで西軍にくみしたため一介の牢人の身に落ちた。謫居の地を京都に定められた盛親は、再起への野望を密かに育み、旧臣五千人とともに大坂夏ノ陣に立ち上がったが…。大きな器量を持ちながら、乱世の流れに乗れなかった悲運の武将を鮮やかに描く傑作。
【印象に残った登場人物】
長曾我部盛親 桑名弥次兵衛 百々雲兵衛 明神源八 木村重成
登場人物
長曾我部盛親 元親の四男。武勇と才質において卓抜した天稟の持ち主。だが不運な男。
桑名弥次兵衛 長曾我部家の譜代の重臣の子。盛親の傅人子。
百々雲兵衛 伊賀出身の忍者。盛親に魅力を感じ最後まで仕える。
林豪 本願寺連枝の僧侶。盛親には色の道を説法している。
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久武内蔵助 家老。家督問題で盛親を擁立する。
津野孫次郎 元親の三男。家臣の評判が良い。藤堂高信と親しい。
田鶴 弥次兵衛の妹。奥向きに仕える。盛親が最も愛した女性。
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江村孫右衛門 物腰が慎重で長者風。柳ノ図子の盛親の従者。
明神源八 朴訥だが気が短い。盛親とともに庵で生活する若者。
阿咲 丹波屋十右衛門の娘。母親は出雲巫女。
加東田平次 所司代板倉勝重の家来。甲賀者あがり。
里 林豪が連れてきた門徒の娘。田鶴に似ている。
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後藤又兵衛 風貌がいかついわりに気さくな四十男。大阪城の中心人物。
真田幸村 閑居生活を脱走し大阪城入り。利欲より方略を奮うことが生きがい。
塙団右衛門 小身から身を起こした男。勝敗より男の名を飾ることに命を賭ける。
明石掃部 キリシタン老人。戦好きで関ヶ原でも勇戦している。
木村重成 若く勇敢な大将。色が白く一見ひ弱に見える。
徳川家康 豊臣家の対抗勢力。小太りの老人。
藤堂高虎 秀吉子飼いの大名。家康の走狗になっている。